こんなに重要!子どもに広がる外反母趾や扁平足と
「土踏まずのアーチ」の話
足には3つのアーチがあります。アーチとは骨が弓形に並んで形づくられたもの。第一のアーチは誰でも知っている足の内側の土踏まずの部分。第二のアーチは足の外側の縦アーチ。第三のアーチは5本指の付け根にある横アーチ。これらの3つのアーチがバランスを取りながら、身体全体を支えるバネのような役割を果たしています。
最近、そんな大切なアーチの未発達な子どもが増加中。正しいくつを選び、正しいアーチを形成させましょう。アーチを正しく育てることが、健康で活発な子どもを作るのです。
成長とともにアーチはつくられます。
赤ちゃんの足にもアーチはあります。しかし、バネの働きを十分にできるほど形成が進んでおらず、2歳くらいまでの幼児は真っ直ぐ立てません。自分の身体の重みでアーチが下がり、かかとの骨がグニャッと外に向いてしまいます。歩き始めの赤ちゃんはつまずきやすく不安定なヨチヨチ歩き。アーチの形成が進むのは3、4歳頃から。この頃には真っ直ぐ立ち、歩く、走る、跳ぶなど、いろいろな運動ができるようになります。そして、6、7歳になると大人のようなアーチに近づいてきます。アーチを正しく育てるために、その時期その時期に合わせたくつ選びが大切です。
たくさん足を使って強いアーチを作ろう。
アーチを形づくる骨は、じん帯で結び合わされています。強いアーチに育てるためには、じん帯を強くすることが肝心。それには、足を使うこと、運動することしかありません。そこで大切なのは子どもが動き回るためのくつ選びです。足に合わないくつによって足に無理な力が加わったり締め付けたりすると、じん帯の弾力性が失われます。そしてアーチの骨の並びが崩れ、さまざまな足の障害を引き起こします。足の障害を防ぐためにも、正しいくつで運動し、強いアーチを作ることが大切です。
- アーチの主な働き
- ●全身の体重を支える
- ●衝撃を吸収する
- ●歩行を推進する
アーチの低下は足の障害につながります。
扁平足【へんぺいそく】
横から見ると、本来は高くなっているはずの足の中央部分が沈み、縦のアーチが崩れてしまう状態を扁平足と言います。ひどい場合は、立った時に土踏まずの部分が下がって、地面に完全に着いてしまうこともあります。足の衝撃を受け止めるクッション機能が失われ、足が疲れやすくなります。
開張足【かいちょうそく】
横のアーチが崩れ、アーチの中央が沈んでしまう状態を開張足と言います。足の幅が広くなったように見えるのは、足の指と指との間隔が扇状に広がっているため。足の中央部分が沈むので、足裏の中指の下あたりに、タコやウオノメができやすくなるほか、ハンマートウ、外反母趾につながることもあります。
外反足【がいはんそく】
O脚の原因となる外反足。かかとが内側へ倒れこんでしまった状態です。真後ろから見ると、かかとの部分が「く」の字型にはみ出し、アキレスからかかとのラインが一直線になりません。ひどくなると、内くるぶしが内側に飛び出し、アーチが低下。足裏の筋肉やじん帯が伸ばされ、扁平足になってしまいます。
外反母趾・内反小趾
【がいはんぼし・ないはんしょうし】
外反母趾は親指の付け根が飛び出し、小指側に曲がってしまう状態。内反小趾は小指の付け根が飛び出し、親指側に曲がってしまう状態。いずれも縦横のアーチが低下した足に起こるもの。放っておくと足が痛くて歩けなくなり、足は変形、扁平足や開張足にもつながることもあります。